車を売るタイミングは、意外と判断が難しいものです。
「まだ普通に走るし、今売るのは早い気がする」
「でも、修理代や車検のことを考えると、そろそろかな…」
そんなふうに迷いながら、なんとなく先送りにしている方も多いのではないでしょうか。
整備の現場でも、
- 「もっと早く売っておけばよかった」
- 「逆に、急いで手放さなくてもよかったかも」
という声をよく聞きます。
車を売るタイミングに“絶対の正解”はありません。
大切なのは、今の車の状態と、これからの使い方を冷静に整理することです。
この記事では、整備士の立場から
「売った方がいいサイン」と「まだ売らなくていいケース」を分かりやすく整理し、
後悔しにくい判断基準を解説します。
結論|車を売るベストタイミングは「人によって違う」
車を売るタイミングは、
「一番高く売れる時期」=「後悔しない時期」ではありません。
同じ車でも、
- 車の状態
- これからの使用予定
- 修理や車検のタイミング
によって、ベストな判断は変わります。
大切なのは、
「今売るといくらになるか」だけで決めるのではなく、
この先どれだけお金や手間がかかりそうかを考えること。
売った方がいいサイン(整備士が現場で感じる基準)
これからお金や手間がかかりそうかどうかが、判断のポイントです。
ここで挙げる内容は「必ず売るべき基準」ではありません。
あくまで、判断材料として参考にしてください。
修理や消耗品の出費が増えてきた
ブレーキ、足回り、バッテリー、エアコンなど、
大きめの整備が続くようになると、今後も出費が重なりやすくなります。
※車種や年式、整備内容によって金額は大きく変わりますが、
整備現場でよくある目安としては、次のようなケースがあります。
- 車検見積が 12〜15万円以上 になってきた
- エアコン修理が 5〜10万円前後
- バッテリー交換が 2〜4万円程度(アイドリングストップ車)
- 足回り交換が 5万円以上
「直せば乗れるけど、負担が大きい」と感じ始めたら、
売却を含めて一度立ち止まるタイミングです。
車検が近く、大きな整備が必要になりそう
車検前の点検で整備項目が増えることは珍しくありません。
- 車検費用が以前より高くなりそう
- 車検と同時に複数の修理が必要
こうした場合は、
「この車に今後も費用をかけ続けたいか」 を考える良いきっかけです。
車検前に買い替えを考えると“納車が間に合わない”ことがある(重要)
車検の見積もりが思ったより高くて、
「この金額なら買い替えた方がいいかも」と感じる方は多いです。
ただ、ここで注意したいのが、
車検が近づいてから買い替えを考えると、納車が間に合わないケースが非常に多いという点です。
最近は新車の納期が長く、
- 人気車種:3〜6ヶ月
- モデルによっては半年以上
ということも珍しくありません。
そのため、車検の1ヶ月前に買い替えを検討しても、
車検満了日までに新しい車が届かないことが普通にあります。
✔ 整備士としてのアドバイス
- 車検の見積もりは 2〜3ヶ月前 に取る
- 車検が切れても、自宅保管なら問題なし
- 買い替えが決まっているなら、車検を通さず売る選択肢もある
- 中古車なら“即納車”が多く、車検直前でも間に合うことがある
- 車検を通してから売るのは“ほぼ損”(査定はほぼ変わらない)
車検費用と査定額を同時に確認しておくと、
後悔の少ない判断がしやすくなります。
走行距離が10万km前後を超えてきた
10万kmを超えたからといって壊れるわけではありませんが、
現場ではこのあたりから
- 消耗品交換が重なる
- 小さな不具合が増える
といったケースが増えます。
1〜2年で5〜10万円規模の整備が複数回必要になることもあります。
警告灯や異音など、不安要素が出始めた
警告灯や異音が出ている場合、
1か所直しても別の不具合が見つかることがあります。
「どこまで直せば安心なのか分からない」状態なら、
完全に壊れる前に判断するのも一つの選択です。
生活スタイルが変わり、車に乗る機会が減った
通勤方法の変更、家族構成の変化などで乗る頻度が減ると、
維持費とのバランスが合わなくなります。
- 自動車税
- 任意保険
- 駐車場代
車に乗らなくても、これらの固定費は毎年かかり続けます。
まだ売らなくていいケース|無理に手放す必要はありません
整備士として、
「この状態ならまだ乗り続けても問題ない」と感じるケースも多くあります。
整備状態が良く、維持費が安定している
- 大きな故障がない
- 修理が消耗品中心
- 毎年の維持費が安定している
このような場合は、無理に売る必要はありません。
車検や修理費用に納得できている
金額の大小よりも、
「納得できるかどうか」 が大切です。
次に乗りたい車・生活プランが決まっていない
「とりあえず売る」だけだと、
あとで後悔するケースが多いです。
乗り換えを急ぐ理由が特にない
- 大きな故障がない
- 今すぐ困っていない
- 生活に変化がない
このような場合は、急ぐ必要はありません。
迷ったときの整備士おすすめ判断法
「売るかどうか迷っている」という状態は、
まだ余裕がある証拠でもあります。
迷っている間は、
- 状態を把握する
- 情報を集める
- 選択肢を知る
これだけで十分です。
判断は、
「売らなきゃ」ではなく「納得できたとき」で大丈夫です。
車を売る前に必ず確認しておきたい3つのポイント
- 車検・修理のタイミング
- 今の車への不満点
- 今の車への不満点
これらを整理すると、判断が一気にしやすくなります。
下取りと買取の違い(超ざっくり)
- ディーラー下取り
手続きが楽で、買い替えと同時に進めやすい - 買取業者
選択肢が多く、条件次第で金額に差が出る
どちらが正解ではなく、
自分が何を重視するかで選ぶのがポイントです。
まとめ|後悔しない売却は「タイミング」より「納得感」
車を売るタイミングで一番大切なのは、
高く売れるかどうかよりも、
自分が納得して手放せるかどうか。
- これからどれだけお金がかかりそうか
- どれくらい乗り続けたいか
- 今の生活に合っているか
これらを整理できたときが、
その人にとってのベストタイミングです。
焦らず、流されず、
自分にとって後悔の少ない判断を選びましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1:車は何年で売るのがベストですか?
年数よりも、
「これからどれだけお金がかかりそうか」で判断するのがおすすめです。
5年・7年・10年などの目安はありますが、
整備状態や走行距離によって大きく変わります。
Q2:10万kmを超えたら売るべきですか?
10万kmを超えてもすぐ壊れるわけではありません。
ただし、消耗品交換や不具合が増えやすくなるため、
今後の維持費を一度整理するタイミングではあります。
Q3:車検前と車検後、どっちが高く売れますか?
ほとんどの場合、車検前に売る方が損が少ないです。
車検を通しても査定額はほぼ変わらず、
車検費用を回収できないケースが多いからです。
Q4:車検が近いけど、納車が間に合わない場合はどうすればいいですか?
・中古車なら即納車が多い 車検が切れても自宅保管なら問題なし
・仮ナンバーで一時的に動かせる
・車検を通さず売る選択肢もある
焦らず、選択肢を整理すれば大丈夫です。
Q5:売るか迷っている場合はどうすればいいですか?
迷っている時点で、まだ余裕があります。
まずは、
・車検費用
・今後の修理費
・今売るといくらか
この3つを把握すると判断しやすくなります。