車のエンジンが突然かからなくなると、
「どうしよう…」「バッテリー?故障?」と一気に不安になりますよね。
ですが、エンジンがかからないトラブルの多くは、
落ち着いて順番に確認すれば「自分が今すぐできること」と「無理をせずプロに任せるべきこと」がはっきり分かります。
この記事では、整備士として実際によくあるトラブル事例をもとに、
車の整備に詳しくない方でも迷わず行動できるように、
専門用語をできるだけ使わずに解説します。
※エンジンルームを開けたり、部品を触る必要はありません。
※「直す」よりも「正しく判断する」ことを目的にしています。
【最重要】まずは30秒でできる確認
エンジンがかからないときは、
最初にこれだけ確認してください。
キーを回した(またはスタートボタンを押した)とき
- 「キュルキュル」という音がしない
→ セルが回っていない - 「キュルキュル」という音はするが、エンジンが動かない
→ セルは回っている
この違いだけで、原因はほぼ半分に絞れます。
結論:まずは「セルが回るかどうか」で判断できる
- セルが回らない
→ バッテリーや電気系の可能性が高い
→ 車の整備に詳しくない方はロードサービス利用が安心 - セルは回るが、エンジンがかからない
→ 燃料・キー・制御系の可能性
→ その場でできる確認あり
無理に直そうとしなくて大丈夫です。
まずは正しく切り分けましょう。
セルが回らないときの原因と対処
こんな状態です
- まったく音がしない
- カチッと小さな音だけする
- メーターが暗い、または点かない
主な原因
- バッテリー上がり
- 電気がうまく流れていない状態
その場でできること
- ライト・エアコンなど電装品をすべてOFF
- シフト位置が P(パーキング) になっているか確認
- スマートキーをエンジンに近づけて再始動
ここが大事
これで改善しない場合は、
無理せずロードサービスを呼ぶのが安全です。
※バッテリー端子の確認やエンジンルーム作業は、
慣れていない方にはおすすめしません。
セルは回るのにエンジンがかからないとき
こんな状態です
- 「キュルキュル」という音はする
- でもエンジンが始動しない
これは、
電気はあるけど、動く条件がそろっていない状態です。
その場でできる3つの確認
① 燃料計を確認する
意外と多いのが「思っているより燃料が減っていた」ケース。
特に坂道駐車後は、燃料がうまく吸えずかからないことがあります。
② スマートキーの電池を疑う
スマートキーの電池が弱いと、
車が「正しい鍵ではない」と判断し、エンジンを止めることがあります。
- スマートキーをエンジンに近づける
- スペアキーがあれば使ってみる
③ 少し時間を空けて再始動
何度も続けてセルを回すと、逆にかかりにくくなることがあります。
5〜10分ほど待ってから、再度試してください。
原因別まとめ
| 状態 | その場でできること | 判断 |
|---|---|---|
| セルが回らない | 確認のみ | ロードサービス推奨 |
| セルは回る | 再始動・キー確認 | 改善しなければ相談 |
| 異音・異臭あり | 何もしない | すぐ停止 |
無理に動かさないでほしいケース
次のような場合は、
自力で動かそうとせず、すぐにプロに任せてください。
- 金属音・ガラガラ音がする
- 焦げたようなニオイがする
- 警告灯が複数点灯している
無理をすると、故障が大きくなる可能性があります。
出先でエンジンがかからないときの考え方
「もう少しで直りそう」と感じても、
不安がある状態で無理に動かすのはおすすめしません。
- 判断できない
- 不安が消えない
- 作業に自信がない
このどれかに当てはまるなら、
ロードサービスを使うのが一番安全で確実です。
まとめ|車の整備に詳しくない方は「切り分け」と「安全優先」でOK
エンジンがかからないときは、
- まず セルが回るかどうか を確認
- 車の整備に詳しくない方ができる確認だけ行う
- 迷ったら無理せずプロに任せる
これだけで、
大きな失敗や余計なトラブルを防げます。
「自分で直さなきゃ」と思わなくて大丈夫です。
安全に判断できた時点で、すでに正解です。
なお、本記事では「車の整備に詳しくない方」に判断方法を解説しています。
ジャンプスタートや簡単な応急処置の経験がある方、
または「自分でどこまで対応できるのか」を知りたい方は、
▶ 慣れている人向け|エンジンがかからない時に応急処置できるケース
も参考にしてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. エンジンがかからない場合、すぐ修理工場に持っていくべきですか?
まずはこの記事で紹介した確認を行い、判断できなければロードサービス利用がおすすめです。
セルが回らない・異音や異臭がある場合は、無理に動かすと故障が悪化する可能性があります。
自走できない状態で修理工場に向かうより、ロードサービスで安全に対応する方が結果的に安く済むことも多いです。
Q2. エンジンがかからない原因で一番多いのは何ですか?
最も多いのはバッテリー上がりです。
特に以下の条件が重なると起こりやすくなります。
・短距離走行が多い
・2〜4年以上バッテリーを交換していない
・冬場や寒い朝
セルが回らない場合は、まずバッテリーを疑って問題ありません。
Q3. 修理や交換にかかる費用はいくらくらいですか?
目安は以下の通りです。
・バッテリー交換:1万〜3万円
・セルモーター交換:5万〜10万円
(詳しい一覧は下の表をご覧ください)
あくまで一般的な目安ですが、よくあるケースの費用感は次の通りです。
| 内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| バッテリー交換 | 約1万〜3万円 |
| ジャンプスタート | 無料〜数千円(保険・JAF加入時) |
| スマートキー電池交換 | 数百円〜2,000円程度 |
| セルモーター交換 | 約5万〜10万円 |
| センサー・点火系修理 | 約2万〜5万円 |
※車種・地域・依頼先によって前後します
※ロードサービス利用で応急対応のみ行うケースも多いです
Q4. ロードサービスを呼ぶと高額になりますか?
任意保険やJAFに加入していれば、無料で対応できるケースが多いです。
多くの自動車保険には「ロードサービス」が付帯しており、
・バッテリー上がり対応
・レッカー移動(一定距離まで)
が無料になることがあります。
不安な場合は、保険証券や保険会社のサポート窓口を確認してみてください。
Q5. その場で何度もエンジンをかけ直しても大丈夫ですか?
おすすめしません。
何度もセルを回すと、
・バッテリー消耗が進む
・エンジンが「かぶる」
・故障の切り分けが難しくなる
といったリスクがあります。
2〜3回試してダメなら、時間を空けるかプロに任せる判断が安全です。
Q6. 冬にエンジンがかからなくなるのはなぜですか?
気温が下がると、バッテリー性能が大きく低下するためです。
冬場はバッテリーにとって最も厳しい季節です。
「昨日まで普通だったのに朝だけかからない」というケースも珍しくありません。
冬前にバッテリー点検・交換をしておくと、トラブル予防になります。